採卵による卵巣へのダメージ
毎月の採卵
ある女性(40歳)の話です。週に2回のペースで約6ヶ月ほど通い、卵の質が良くなっているとの報告を聞けましたが、毎月採卵をしているとの話しに驚きました。
その女性の話によると、「ここに来る前は卵が採れない事もあり、採れてもその卵が胚盤胞まで育たない状態だったが、ここへ来てからは卵が胚盤胞まで育つように変化した」との事でした。
さらに詳しく聞くと、2年前の採卵では胚盤胞まで育っていたが、最近ではそこまで育たず2分割や4分割の時点でそのまま凍結させてしまうといった事もしていたそうです。
これは原始卵の数が少ない体質のため、育つ育たないに関わらずとにかく受精卵を少しでも多くストックして置きたいとの思いであるとの話も聞けました。
注意すべきは2年前の採卵に比べ今年の採卵の方が、卵が採れなかったり成長がスムースでないといった問題です。
それは2年間の間に卵巣の機能が悪化した事を証明していますが、問題は悪い体調の時点でも採卵を続けたといった事に不安を感じました。
採卵とは「ホルモン剤で卵胞を刺激して、卵巣に針を刺し卵胞から卵胞液と一緒に卵子を取り出す事で、卵巣にはそれなりのダメージを与えてしまう」といった事が知られています。
【卵が育たない・着床しない】には理由がある
この辺で冷静に考えてみて下さい。彼女の話では最初に顕微授精をした2年前には胚盤胞まで育ったが、身体に移しても妊娠反応は出たが妊娠には至らず、最近の採卵では2分割や4分割で凍結している。とありますがこの対応について考えてみましょう。
胚盤胞まで育った卵子がなぜ着床出来なかったのか?これを植物で考えると簡単です。畑の土が耕されていない硬く冷たい状態であれば元気な苗を植えても根付きません。つまり子宮内膜に問題があると着床し難いと考えるべきです。
彼女の話の中に生理痛が無くなったとありますが、生理痛は子宮内膜に異変がある事を知らせる身体からのメッセージです。「このまま放置すればやがて大きな問題が起きますよ」と信号を送っていたのです。
こうした単純な異変を解決させずに体外受精を続けても無理がある事は容易に理解できる物と感じますが、現実はそうではなく2回3回と同じ失敗を繰り返すケースが多い事に驚きます。
次に2年前には胚盤胞まで育った卵子が、最近では培養がスムースでないという件について考えてみましょう。これについては卵巣の機能が下がってしまったと考えるべきです。
この変化には大きなものがあります。たった2年間という短い期間で高齢だからといった言い訳は通用しません。元気のない弱った卵巣に対して鞭打つ様な治療によって更に卵巣のパワーが下がってしまったのではないかと考えています。
人間は細胞の新陳代謝を繰り返し生命を維持しています。血流が悪く代謝活動が活発でない不健康な状態を改善させなければ、例え高度な医療を受けたとしても辛い結果に終わる場合が多いのではないでしょうか?
これからの取り組み
私は彼女との話で、私の対応法を大きく改善すべきだと感じました。最初の時点でもっと突っ込んだ話をすべきであったと反省しきりです。
あくまでも自然妊娠に拘るのか、病院での治療を続けながらの体質改善を希望するのか、そうであればどの様な対応が最も有利なのかを時間をかけてじっくりと話す必要があったと反省しています。
他の記事でも書いてもありますが体外受精を失敗したのであれば、それを連続したところで成功は望めないと考えています。何故なら身体に異変があるので排卵や受精・着床・妊娠が出来ないのです。体の異変の原因を解決させてからなら体外受精の成功率は跳ね上がります。
彼女の場合でも卵の質が改善されて来ている事は実証されているのですから、体質が悪い時期での採卵は、少なからずも卵巣へダメージを与えるばかりで経済的な負担も含め、無意味な事であったと感じています。
必要以上に自然妊娠に拘らない、効率の良い妊活
彼女に病院での治療について聞いたきっかけは、「1年ほど通われて体質がかなり変わった女性が2年ほど前に採卵し冷凍保存をしていた卵子を移植したら妊娠できた」との話のビデオを見せて必要以上に自然妊娠に拘ることも無いのでは、との話をした時でした。
私としては彼女が病院の治療を続けている事も知らなかったので、先ほども書いた様に最初の時点でのスタンスの確認は重要だと感じたのです。
顕微授精などの高度な不妊治療はその有効性は魅力的な治療法だとは思いますが、基本となる身体にトラブルがあるのであれば、その成功率は気落ちするレベルです。しかも治療費が高価で経済的な負担も半端ではありません。
だからこその体質改善が必要であると私は考えます。何回挑戦しても駄目なものは駄目なのですから、体質を変えないままの体外受精は避けるべきだと考えています。
不妊治療を知られたくない女性の心理
以前から強く感じるのが、【不妊で悩んでいる事を他人に知られたくない】といった心理です。これは大変に強いもので他の症状とは格段の差があります。
精神的に落ち込んでいる場合も多いので、こちらとしても根掘り葉掘りと質問するのも躊躇するといった事も、今回の反省点が出た要因だとも感じています。
不妊は恥じる問題ではありません。肩や首が凝って痛むと同じ様に身体の不調によって起きる現象なのです。その原因をしっかりと見極め適切な対応をすれば、血液の力で自然に解消できるのです。
もしも、あなたが私の所で体質改善を試してみようと考えるのであれば、今回の実話を参考にして無駄の無い効率的な妊活のために、全てを打ち明け1日も早く子宝をゲットして下さい。私も今回の反省を糧にして精一杯のサポートをして行きたいと考えています。