子宮筋腫と癒着について
子宮筋腫とはいったい何なのか
子宮筋腫をネットで調べてみると次のような記事が出てきます。
●「子宮筋腫はとても多い婦人科の疾患で、成人女性の約20~30%に発症している」
●「発症の原因はエストロゲン(女性の発情ホルモン)の影響により子宮の筋層にエラーが起きて発症すると考えられている」
結局のところ原因はハッキリしないが、女性ホルモンの分泌に関係している事は確かな事だと思われます。
今回は現在、掛川市から通われている30代の女性の身体の変化を題材にして子宮筋腫を考えてみる事にします。
彼女は何故こちらを選んだのか
週に1回の通院を続けている彼女が最初に来られた時の会話を思い出しながら書いてみます。
「以前から子宮筋腫はあったものの生活に支障もなく、医師からも摘出手術を勧められる事もなかったので放置していたが、少しずつ大きくなって来ているのが自分でも解るので身体をチェックして貰いたい」
そんな意味合いの話しでしたので「貧血があれば病院での手術をお勧めしますが、骨盤内の環境を整えるといった考え方をすれば、こちらでの調整は有意義だと思います。」といった内容の返事を返しました。
●「私が行っている自然療法は治療ではありません。人間が生きているのに必要な身体の営みを骨格の歪みを調整する事で復活させる事を狙った手技療法です。」
●「血流を活発にさせ細胞へ新鮮な血液を与える事によって自然治癒力を発揮させるために開発された技術です。」
●「つまり細胞が元気に新陳代謝を繰り返す環境にするためのサポートですので病名に関係なく良い結果が自然に出てしまうのです。私が治すのではありません。」
こんな誰にでもする説明をしたところ「子宮筋腫がすぐに消える事は不可能だと思っていますが、体質を良くしたいので続けたいと思います。」といった感じの返事でスタートしました。
お腹を触ると大小の塊があった
子宮筋腫は個人差があって、その大きさや形状は様々ですが彼女の場合には大小の筋腫が集合した形で、ソフトボールより少し大きく感じる程度のサイズでした。
小さい物でミニトマト、大きな物は野球のボール程度のものが寄り集まった感じの筋腫でした。私は「これらの腫瘍はお互いに癒着して一塊になっている。最初にこの癒着がバラバラに剥がれますよ。」と説明しました。
癒着は色々なところで起きますが、その部位の血流は必ず悪くなっています。子宮筋腫が発症する原因は解明されていませんが、血流の悪さは当然ながら関係していると考えています。
癒着はどうして起きるのか?
私達の身体は体液によって適度な湿りを保っています。解かりやすいのが口の中で、常に唾液によって渇きを防いでいます。
手術後の内臓癒着の話しはご存知と思いますが、術後の癒着は漿膜(しょうまく)という内臓を包んでいる膜がメスによって切られ、その部分の血流が途切れる事で起きます。
漿膜からは内臓同士の癒着を防ぐための漿液(しょうえき)が分泌されていますが、手術によって漿膜に傷が出来てしまい、ヌルヌルとした漿液が出せなくなると術後の癒着が起きるのです。
「糖尿病の患者は外傷の傷は塞がり難いが内臓癒着はいたる所で起きている。」といった話を外科医から聞いた事があります。
これは糖尿病の患者は血管内の血液濃度が高いので、浸透圧によって周囲の漿液が血管内に取り込まれ内臓癒着が起きる事も判明しています。
つまり癒着とは癒着を防ぐために出されている漿液が分泌されない不健康な環境に起きると定義できるものと考えられます。
この癒着のメカニズムを通して考えると、彼女のお腹の中の環境は不健康であったと考えなくてはなりません。子宮筋腫が出来てしまった根本の原因も何かしらの関係があるものと感じています。
小さな筋腫が消え、癒着が剥がれた!
6~7回ほど通われた時点で感触が変わりました。左側にあったミニトマトほどの小さな筋腫が消えてしまったのです。(正確には触っても確認できない程度まで縮小したのでしょう)
彼女も毎日のように入浴時にはお腹を押さえていたので変化に気付いていたそうですが「やっぱり無くなってますよねぇ」と嬉しそうに返事をしてくれました。
人間の身体にはマクロファージという貪食細胞(顆粒球)が不要な物を溶かして処分する免疫が存在します。血流を正せば免疫細胞が活躍できる環境になり、こうした変化が起きるのです。
その頃から筋腫の癒着もとれはじめ、一塊になってゴツゴツとした感じの腫瘍が大小のボールが別々に入っているといった感じのお腹に変化して来ました。
「お腹を押さえても腫瘍がスルっと逃げるので痛みが出ない。」と話してくれました。これは子宮の周辺の組織と子宮筋腫の癒着が剥がれたことを意味します。
彼女のお腹の中の環境は確実に改善され始めています。子宮筋腫を摘出するのではなく筋腫が出来てしまった環境を整え、新たな別の病気を未然に防ぎたいとする彼女の意識の高さを多くの人に知って頂きたいと感じています。
病気を治すための医療だけではなく予防医学の発展も有意義な事ではないでしょうか?