頚椎ヘルニアの改善
頚椎ヘルニアと鎖骨の歪みについて
一般に腰椎に比べて頚椎ヘルニアの方が恐れられているように感じていますが、私たちの感覚では腰椎に比べると、頚椎ヘルニアは扱い易い症状だと感じています。
なぜなら首の筋肉は頭を支えるだけで、腰に比べ筋肉の疲労が軽いため重度な筋肉劣化が起き難いといった事で、頚椎ヘルニアは比較的に早く良くなる例が多い病気です。
この人たちは3人とも頚椎ヘルニアで苦しんでいました。こちらでは全員にこの様なテストをして、その人の身体の異常をチェックしますが、この写真は鎖骨の歪みを記録した写真です。鎖骨に歪みがあると腕がスムースに上がりませんし、強い痛みを感じます。逆に正常な人には痛みはありません。
これでも解かりますが、頚椎ヘルニアを患っている人は誰一人の例外もなく鎖骨に歪みが出ています。この鎖骨の歪みについての知識がないと頚椎ヘルニアを解決することは出来ません。
鎖骨の下にはイラストで示すように、心臓から出たばかりの太い血管が腕に向けて走っていますが、その上半身の血流の元栓となる血管が、鎖骨が歪む事で肋骨と鎖骨に強く圧迫されてしまう訳です。首の筋肉への血流は悪化してしまい、重度の首コリが起き筋肉が硬くなります。
首の骨を両側から支えている筋肉が硬く縮む事で、首の骨には日常的な縦方向への圧迫が掛かり柔らかな軟骨はその圧力によって押し出され、頚椎ヘルニアとなってしまいます。
首は勿論、肩や指先の痛みや痺れ感に悩む事になってしまいますが、場所が首だけに手術に対する恐怖心もあって悩む事になる訳です。
ヘルニアと軟骨の劣化
上の写真は軟骨が自然修復された事を証明したMRI画像です。
左側の画像を見て下さい。6・7間のヘルニアの部分は後方に押し出され、その上下にあるほとんどの軟骨は黒く写っていますが、首の上の方の軟骨だけ白く写っています。黒く写るのは軟骨が劣化しているからです。
それに対して右側の写真は6・7間の軟骨が少し怪しい感じですが、他の軟骨は全て白く写っていて弾力も戻り健全な軟骨に生まれ変わっています。
これは血流を正し、軟骨へ栄養を与えてやれば自然の力で修復できる事を証明した写真です。
この2枚の写真で首の筋肉の硬縮で軟骨が飛び出すだけでなく、軟骨そのものも新陳代謝がされないために劣化してしまうという事が理解できます。その劣化について次に説明します。
軟骨は関節液で栄養される
軟骨には血管がありませんので、栄養補給は関節液からされています。上の写真はその関節液を作る滑膜へ栄養補給する血管を表した解剖図です。
他のパーツの栄養補給は血液➡細胞ですが、軟骨の場合は血液➡滑膜➡関節液➡軟骨となっています。この栄養補給のシステムは腰や膝といった全ての関節に当て嵌まっています。
では軟骨へ栄養を与える関節液はどうして届けられなくなったのでしょうか?それは首の筋肉が硬くなった事で起きる血流障害です。関節液は関節を包む関節包の内側にある滑膜から分泌されていますが、血流が悪くなると滑膜が関節液を作ることが出来なくなるのです。
その関節液を分泌する滑膜に安定した血流をさせる事で、本来の仕組みが戻り軟骨も自然修復されるのです。そこには血液の想像を超えた素晴らしい力があります。ミクロの世界での正確無比な修復作業です。
勿論、首や肩の痛みや指先の痺れなども自然に消えてしまいます。特に首のトラブルは症状がハッキリと出て、我慢を続けるといった事も少ないので、症状が強い割には早く改善される例が多いのだと感じています。
いずれにしても我慢は美徳ではありません、我慢をしたり薬で痛みを感じさせないといった事を続けていても、血流が良くなる事は無いのでやがて関節癒着が出てきます。こうなると大変です、早期に正しい対応をしないと改善までの時間は極端に長くなってしまうのです。
もしあなたが頚椎ヘルニアで悩んでいるのであれば、なるべく早く相談してみて下さい!疑う事より聞いてみる勇気があなたを救います。